特集 家族計画指導の再検討
板取村での指導
山川 ますへ
1
1岐阜県関保健所
pp.34-35
発行日 1966年4月10日
Published Date 1966/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203622
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板取村というところ
板取村の一婦人から住民検診後,家族計画の夜間指導を依頼してきた.板取村は武儀郡の西北端に位し,地形は南北に細長く,北は福井県の大野郡西は本巣郡根尾村山県郡美山村,東は郡上郡八幡町大和村,南は山県郡美山村武儀郡洞戸村に界し,北緯35°41′50“東緯136。48′30"で北部は山岳重畳たる,福井県境川浦山左門岳(1,223,6m)に源を発し板取川が左右から合流する,4km以上の小谷10数流を合して村の中央部を南方に貫流し,郡上郡から流れる長良川上流と合流している.この板取川の両岸に,耕地と部落が点在しているが,全面積の1.4%にすぎなく,局部的にゆるやかな地貌をなしているが,大部分は急峻な山岳地である.村の総面積は19,027ヘクタールに及び,そのうち山林が18,228ヘクタールを占め,耕地はわずか260ヘクタールにすぎない.そこに705戸3,023人が生活し,主として林業,農業,養蚕,養鶏が営まれている山村である.
診療所が2カ所設置されているが,へき地で来村する医師がなく,1カ所は閉設となっている.幸いに3年前から母子センータが設立され,母子の健康管理がおこなわれているが,老齢の助産婦が一人いるだけで,現状で手いっぱいの状態である.
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