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野谷村の全村驅蟲
伊達 富久
1
1岡山保健所
pp.182-184
発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200739
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寄生蟲卵の檢査成績は檢査の方法や技術で差異を生ずるので在來の成績から寄生蟲蔓延の實體を正確に掴むのに困難を感ずる。殊に鈎蟲卵の檢出率は檢便の取扱ひ方で著しい差がある樣である。恩師故鈴木稔教授が生前一人の檢便に10分間はかけてやるように云われでいたが丁寧にやるのとそうでない場合は蟲卵の檢出率が甚だしく異るものである。集團の檢査の際は往々にして檢査が粗雜なため鈎蟲卵の檢出率が低い場合が多い,吾々はなるべく精細な檢査で寄生蟲蔓延の實體を掴み正確な集團驅蟲並びに其の後の經過を見たいと考えていたのであるが,岡山保健所管内の野谷村で昨年其の機會にめぐまれたので其の模様を報告する。
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