連載 PHNサギリが行く へき地の保健師活動紹介記・11
小笠原村
青木 さぎ里
1
1自治医科大学看護学部地域看護学領域
pp.182-187
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100939
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こんにちは。サギリです。今月は私の思い出の地に行ってきました。東京都小笠原諸島です。大学4年生の夏,島の保健師になろうと考え,実際に離島の保健師を訪問し話を聞かせていただいたのが小笠原村でした。それから10年近く経ちますが,当時と変らず明るく活気のある島でした。サンゴからなる真っ白な砂浜,月の輝く夏の夜の浜では海亀が産卵に訪れ,小亀が孵化し海に向かってチョコチョコ歩いていく光景に出会えます。日中に海に飛び込めば,宝石をちりばめたような美しいサンゴの間を魚たちが舞い踊り,船に乗って少し沖に出ればイルカや鯨にも出会えます。夜にはオオコウモリが空を舞い,南国のフルーツをつまみ食いしています。
小笠原は東京から南へ約1000kmのところにあります。年平均気温23.3℃。最も寒い2月の平均気温は17.7℃で,トレーナーを羽織る程度で十分です。一方,最も暑い8月の平均気温は27.6℃。年間を通じて非常に過ごしやすい気候です。そのため,冬でも野菜を作ることができるので,戦前のビニールハウスが普及していない頃は,島民は農業で高収入を得ていたそうです。
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