特集 精神分裂病の保健指導
最近の精神科看護
外間 邦江
1
1国立公衆衛生院衛生看護部
pp.30-34
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203600
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はじめに
最近精神科看護の適用される範囲は広くなり,医療においても看護専門職全体の立場においても重要性をましてきている.現代社会の精神障害者の医療対策と精神衛生向上の必要のために精神医療は急速に前進しているが,精神医療ティームのうちでも欠かせない役割をもつ看護も質,量ともに向上が期待されている.
しかし,精神科看護を実際にはどのように位置づけ,どのような内容で,またどのような方向で実践するかはむずかしい問題である.精神科看護学なるものの体系はまだほんとうの意味では存在しないといえる.最近いずれの方向にせよ精神科看護をなんとか動かして,患者の味方になって歩みながらなにかをつかんで実践してみようとする意欲だけはあらわれている.日本の精神病院で看護婦によっておこなわれている生活療法の働きかけを討議し,ごく最近の精神科看護の動向について私の観察の範囲で簡単に述べてみたいと思う.
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