特集 看護婦の職業病
<手記>仲間たちに励まされて
後藤 敏子
pp.16
発行日 1971年9月1日
Published Date 1971/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916115
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私は2年前に思いがけない病気—腱鞘炎と頸腕症候群—にかかってしまった。キーパンチャーや事務職員によくおこる病気である。6年前から耳鼻科に勤務し,仕事はすっかり馴れていたのだが,看護助手が次々とやめたため,綿棒をまく本数がぐんとふえたのである。そのため,私をはじめ,職場の人が次々と6人も発病してしまった。私も最初はこの病気がこんなに長く続くものとは思わなかった。
最初の担当医はなかなか休むようにとはいわず,箱崎町の木下先生のところに行ったら,重症であるといわれ診断書をいただいた。自分でも綿棒まきのせいではないかと考えていたのだけれど,いざ“職業に起因するもの”という診断書をみた時は本当にショックだった。
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