とりのこされて・1
児童憲章は泣いている
pp.20
発行日 1965年3月10日
Published Date 1965/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203325
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本特集の各論文でも明らかにされているように,わが国の医療制度には大きなひずみがあり,その谷間にとり残されている人たちの数は少なくない.かつて朝日新聞で「この子らに手を」というシリーズでもって身心障害児の問題を追求した.この身心障害児問題も医療の谷間の問題である.そのうちのいくつかを本特集のコラムで要約してみよう.
「すべての児童は,身心ともにすごやかに生まれ,育てられ,その生活を保障される」--児童憲章は第1条にうたい上げる.だが一方では「子どものしあわせがはばまれ,いろいろの問題が未解決で放置されている現実」を児童白書(38年5月,厚生省児童局)は指摘する.理想と現実の食い違い,それは施策の面では10年,20年の遅れである.
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