資料 健康に関する権利規定・4
ヨーロッパ社会憲章
西 三郎
1
1国立公衆衛生院
pp.286-287
発行日 1973年4月15日
Published Date 1973/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204656
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ヨーロッパでは1949年欧州理事会の結成,1950年「人権および基体的自由擁護条約」の調印に引き続いて「ヨーロッパ社会憲章」および「ヨーロッパ社会保障法典」の制定についての努力がなされ,前者は1961年10月イタリアのトリノ市において欧州理事会加盟国の署名により採択,1965年効力を発生し,現在(1969年)キプロス,デンマーク,西独,アイルランド,イタリア,ノールウエー,スエーデンおよび英国が批准している.後者は,1964年4月ストラスブルグで署名,1968年発効し,現在(1968年)スエーデン,ノールウエー,オランダ,英国,ルクセンブルグが批准している.なおこの他老齢・廃疾・遺族年金に関する暫定社会保障協定と,それら以外の保障給付に関する暫定社会保障協定の2つの暫定協定と「ヨーロッパ社会および医療扶助協約」が採択,発効している.
欧州理事会は,東西両陣営の対立を背景にヨーロッパ連合の成立と,共産主義に対して連帯しようという政策的要望とにより結成されたが,20年の歩みとともに,多くの分野における建設的な働きを示し,直接戦争の恐れに対することは初期だけといってよいであろう.この理事会の規約には,人権と基本的自由の推移と拡充に協力することが視定され,それに従って前記の条約を始めとする一連の活動がなされている.なお欧州理事会は,ILOとの密接な協力関係のもとに作業を進めている.
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