特集 医療と公衆衛生
医療機関と公衆衛生活動
連絡会議や学校保健センターの中核として
本城 明朗
1
1岡山県医師会
pp.123-128
発行日 1965年3月10日
Published Date 1965/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203360
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はじめに
私は現在の医師は従来からの治療専門という考えより脱却して,公衆衛生活動のほうへ足を1歩踏み出していると思う.このことは最近の日本医師会の事業計画をみたり,いかに医師会が地域社会活動を重視しているかがわかるし,また各都道府県の医師会がそれぞれ活発な公衆衛生活動を展開しつつあることを見てもうかがわれるところである.わが岡山県医師会も昭和39年度の事業計画の中に,大きく公衆衛生活動をとり上げている.すなわち,
1.会員の公衆衛生活動に関する研修
2.県の行政当局および民間団体との連絡および意見調整(県単位の保健委員会設立準備)
3.地域保健組織活動の育成(モデル地区指定)
4.保健サービスの展開(胃集検,成人病検査)
5.健康教育の推進(学校保健の推進)
などを掲げて,着々と事業を推進している状態である.なお県下の各郡市医師会においては公衆衛生対策委員を選んで,地域の特性に応じた保健活動をなしつつある次第である.こうして医師会が一致団結してこの活動を展開すれば,個々の医療機関がバラバラに思いつきの保健活動をするよりも,はるかに広範囲でかつ適切な活動が期待でき,地域の人びとの福祉はいっそう向上することはまちがいのないところである.
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