私はこう思う シンポジュウムをきいて
地区のニードにこたえる保健所とは
村江 通之
1
1鳥大衛生学
pp.49-50
発行日 1964年1月15日
Published Date 1964/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202783
- 有料閲覧
- 文献概要
終戦後国内の制度があらゆる方面において大きくかわってきたのであるが,そのうちでもいちじるしいものの一つに,保健所制度の変革がある。
戦前は健康相談といえば,それは被保険者に大変親しみのあった保健所の仕事であった。保健所は敗戦とともにすっかり変って,まことに権力のある役所となり,一時は泣く児も保健所という言葉を聞けば,その泣きをやめるほどであった。また大衆は税務署や警察と同様におそれた。まったく,そのかわり具合の大きなのにおどろいた。その根本となる権力はどこかの威力の背景にあずかっているようであって,その機構に比較してその内容は誠に貧弱といわねばならなかった。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.