学生ノート
地震とわたし
渡辺 千恵子
1
1新潟県公衆衛生看護学校
pp.62-63
発行日 1964年10月10日
Published Date 1964/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203232
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母の元気な姿にやっと笑いが
「面積図表では方形や円がよく使われまして……」とあの突如として起こった,6月16日午後1時3分の大地震の折,私たちは統計学で図表の作り方について講義を受けておりました.グラグラッとゆれる教室のあちこちからは壁や掲示物が落ち,教室の階段は離れ,また,信濃川にかかっていた昭和大橋の橋げたが川へ落ちるのを眼前にみた私たちは,どうなることかと恐怖と不安でいっぱいでした.しかし,先生のよきお導きを得て隣りの衛生研究所へ,そして道路へと無事に出ることができたのです.
路上はもう水が膝上まであふれ,また,今にして思えば昭和石油の火災だったのですが,東の空には2本の黒煙が空をこがすように無気味に立ちのぼっておりました。
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