座談会
制度改正への姿勢
上村 聖恵
1
,
清水 テル
2
,
川上 貴美恵
3
,
遠藤 セツ
4
,
大坂 多恵子
5
1高知県厚生労働部医務課
2新潟県衛生部医務課
3宮城県民生部国民健康保険課
4福島県厚生部医務課
5厚生省公衆衛生局医療課
pp.62-68
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203214
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ほんとのことがわかっていない研究集会
本誌 各地で研究集会が開かれておりますが,みなさま方のところではいかがでしょうか.
遠藤 私どもの県の保健婦会では,厚生省の看護制度に関する委員会がどんな内容で検討されているかということはぜんぜん知らなかったんです.だから協会から出ている案について賛成か反対かということで進んだわけです.そこで賛成,反対いずれの態度をとるにしろ,もう少し協会案についてくわしく聞こうじゃないかということで,保健婦会の支部総会に林会長の出席を要請したんですが,都合で来られず,代わって東大の金子先生が協会の立場で出席されたんです.金子先生は現在の制度上の問題点と,なぜ改正しなければならないかという点に話をしぼっておられました.お話をうかがった結果,いろんな意見はありましたが,一応協会案に賛成という線に傾いたわけです.協会案で問題になったのは,既得者に対する処遇の問題,現行法と新しい制度とのつながりということでした.現行法というよりは,むしろそれ以前の制度の中で育った保健婦はどうなるかということでしたが,つきつめて考えてゆくと基礎がしっかりしていないことには,無理して経過措置でうまくいっても,結局は教育格差があとあとまで糸をひくのではないか,実力の上においてどうにもならないものも出てくるということで,むしろここで思いきって割り切ってはどうかというふうなところまで一応はいったんです.
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