想園
制度改正に必要なこと
大村 美代子
1
1美唄労災病院
pp.69-70
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912475
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9月号の特集「看護制度=その問題点と動き」は私にとってたいへんためになった。とともにこの問題に対してどのような考え方をしたら良いのかがわかったような気がしました。
2年前に進学コースに入学し,今秋やっと長い試練の期間を終えて卒業し,9月から勤めに出ています。私たち在学中に「保助看法改正案」なるものが出され私たちも例にもれず,将来自分たちが生きていく看護界に対して無関心ではいられず,学生の立場から准看時代の臨床での経験等も加えて話し合い議論しました。そしてそれを要望書として看護協会に提出したわけですが,その内容を考えますと,改正案として示されたものであるのに私たちはそれが実際に昭和43年度から実施されるような錯覚にとらわれ,改正案を批判したとはいえ,それが末端のことに対する批判であり,実施の困難さを指摘したりで,改正案が出された,という根本的なものへの批判ではなかったのです。もっとはっきりいうならば現在の時点においてこの改正案を出すということに,はっきりと反対ということをいえなかったのです。ただ,生半可な知識しか持たず,いかに以前准看として働いていたとはいえ,現状の労働条件,職場の状態がどう変ってきているかなどについて正しく把握せず,正しい判断力を持ちあわせていなかったために,ただあわただしい現在の動きにふりまわされてこのような結論をしたのかとも考えます。
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