保健婦活動とその周辺
変動する農村と保健婦活動
小島 武雄
1
1宮城県塩釜保健所
pp.37-40
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203203
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高度経済成長がもたらしたもの
近年における産業構造の変化は,農業にもいろいろの意味で変化をもたらしている.この根本的原因は農業そのものにあるといわれており,またこのような急激な変化は,高度の経済成長によるものであるともいわれている.
今日における日本の全農家の75%以上は兼業農家で,この兼業であることが現在の農村をいろいろの意味でぐらつかせている.すなわち兼業でなければ食べてゆけないという現象,このことはとうぜん農業生産の減少をきたしている.それも通勤できる場合はまだよいほうで,通勤できない形での兼業は長期の出稼ぎとなってあらわれ,これはさなきだに人手不足の農村にますます拍車を加え,労働力の不足は残されたものへの,特に主婦への労働力の過重となってあらわれ,あるいはまた家庭生活の破壊すらもたらす場合がある.
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