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生態学とその応用
T. T.
pp.37
発行日 1963年7月10日
Published Date 1963/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202877
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最近公衆衛生のいろいろな分野で,生態学(エコロジー:Ecology)ということばがきかれるようになった.生態学とはもともと生物学の一分野であるが,それを人間の生活に応用したものが人間生態学(ヒューマン・エコロジー)とよばれている.人間生態学についてくわしく説明した本は,わが国では皆無に近い.実はこの名を冠称した伊藤の本があるが1),今生物学でとりあげている生態学とは少し違うようである.
公衆衛生領域で生態学を説明した田多井(吉之介)の論文2)3)は,その意味で主流に近い考え方にもとづいて書かれている.ここで主流に近いとまわりくどいいい方をしたのは,生態学にもいろいろの考え方があって,まだ統一されていないからである.その中でも共通していることは,
「生物と環境との関係の様子を研究する」学問であるという点であろう.
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