特集 保健所保健婦
地区の要求にこたえる働き方をめぐって
何故忙しいのかを検討する
保健所の保健婦は何故忙しいのか
西山 勇
1
1神奈川県・戸塚保健所
pp.22-25
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202766
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指定都市横浜の概況
保健所は20種以上の職種の人間をかかえ,60種以上の法律に基いて仕事をしている行政機関であると同時にサービス機関でもある為全職員が非常に多忙な日々を送っている.ことに政令市の保健所は非政令市の保健所に比べ,サービス機関としての性格を強く要求されているため,その仕事の中心とも考えられる保健婦のせわしさは又格別である.
ここ数年間における彼女達の業績をみると,ある保健所では立派な保健婦業務が遂行されているのに,一方では旧態依然とした消極的な業務に終っており,地域別保健所間にかなりの格差が出ている.なかんずく大都市の保健婦業務はきわめて消極的である様に思われる.ことに指定都市横浜では,たえず識者から指摘されている様に,2〜3の保健所を除いてはその活動が非常に消極的で我々も誠に恥かしく感じている次第である.非政令市ではむしろ市町村業務とも考えられる業務が指定都市では市長の責任において行なわれる行政業務として加えられる為,仕事の量が他より多く,その上都市の性格上仕事の質の面でもずっと複雑化して来ている.そのため,個人サービスを主とする保健婦活動も限界に来ており,その改善が叫ばれているのが現状である.
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