看護を科学しよう・1
それは何故でしよう
内田 卿子
1
1聖路加国際病院
pp.73
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913116
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日常看護のなかの盲点に目を向ける
NHKテレビの子供向番組に「ものしり博士」と,「四ツの目」というのがある。毎日の生活のなかでごく当り前に過しているものを取り上げて,何故そうなのか非常にわかりやすく,科学的な解説のついている面白い企画である。大人がみてもなるほどそうだったのかと,改めて見直すことがある。
看護の業務のなかにも,特に患者に直接看護を行なう面で毎日やっていることでありながら,案外,何故こうしているのか,どんな理由づけがあってこうなっているのか,改まって聞かれると,とっさに返事のできないことも多くある。そこで,自分達が毎日やっていることをもう一度見まわしでみようではありませんか。例えば,入院生活のなかで患者の寝具は欠かせないものであるが,そのうちで枕を考えてみましょう。自分の所に使われている枕の大きさはいくちであろうか,そして厚みや材質は。なぜ今の物になってきたのであろうか。どの科の患者も同じだろうか,あるいは眼科や,耳鼻科や頭の手術の時はどうだろうか。大人や,小児,乳児はどのくらい違った物を用いているだろうか。患者が特別な好みの枕を使いたいと訴えた時には,なぜか,その理由を考えただろうか。あまりにも生活に密着していて,考えてみることの少い一つではなかろうか。
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