特集 保健所保健婦
地区の要求にこたえる働き方をめぐって
何故忙しいのかを検討する
保健所保健婦の業務をはばむもの—実例を中心として
井田 直美
1
1大阪府・池田保健所
pp.25-28
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202767
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はじめに
保健所法が公布されて新らしく保健所が誕生してから15年になります.この間公衆衛生行政の急速な進展につれて,その重要施策も年と共に新らしく加えられてきました.それと共に公衆衛生行政の第一線機関としての保健所の役割もますます大きくなってきたことは当然であります.それにもかかわらず保健所の組織は発足当時とほとんど変っておりません.一方では保健所とならんで衛生行政の第一線機関である市町村の衛生行政は,技術的にはもちろんのこと組織の上でもほとんど省みられず,弱体のまま今日までに至っております.このことは市町村固有業務まで保健所の負担となっている現状で,従って今日の保健所業務は多種多様で,果して何をなすべきかという問題が発生することとなりました.またこれらにより府県の間で,あるいは同一府県内でも保健所間の性格が著しく異なる結果ともなりました.問題点はこれだけではありませんが,『何をなすべきか』という点についてあまりにも業務の種類が多すぎること.またそれらについて深い検討が加えられなかったことに大きな問題点があります.
そこで保健所保健婦にとってこれらの保健所自体の問題がひいては自分らの問題となって大きく横たわり,さらに現在わが国の保健婦を二分する国保保健婦との関連性の問題も『何をなすべきか』という点に関して明瞭をかいでおります.
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