コンタクトレンズ(39)
狂瀾は既倒にかえせぬ
長谷川 泉
pp.21
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202765
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ものごとを知ることは必ずしも尊しとしない.知ることは,知っている知識が実際の処世の上に役立ち,その効果があがることを予見するから必要とされるのであり,また尊しとされるのである.
戦前までの知識のとり入れ口は,マスコミの機能にも関係していたと思うが,主として書籍に依存していた点が多い.ゆえに知者は紙魚の虫から生まれる傾向があった.そして,それは,どちらかといえば静的な知識であった.ところが,戦後におけるマスコミの異状な発展はテレビの普及度を見ただけでも様相を一変させるにいたった.知識は必ずしも文字に依存しない.そして,知識はどちらかといえば動的な知識である.
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