編集者から読者へ
2つの白書から
栗原 弘
pp.52
発行日 1963年2月10日
Published Date 1963/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202758
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各省から毎年出されるいわゆる白書について,国民は案外関心が少ないのではないか.時に特徴的なトップ見出しにでも使えそうな内容のものでもない限り,日刊紙もパッとしない2,3面に目立たない扱いをするようだ.
ところで,昨年末示された厚生省の「厚生白書」はいろいろと興味をひく内容が盛られていた.例年のものを見なれた目では,構成スタイルが違っていたこと,問題別に厚生行政の目をすえていたことは新鮮であった(これについては本文記事の解説をごらんいただきたい).各紙の扱い方も,その見出しで追って見ると,これが高度成長経済,所得倍増政策を唱える政府所管の役所から出されたものとはちょっと考えられない,暗いムードのものであった.
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