連載 ニュースウォーク・125
“江戸”という大見え切った「環境白書」
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.724-725
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101045
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これも日本が議長国となった北海道洞爺湖サミット(7月7~9日)の“狂想曲”と揶揄するつもりはない。が,そのなせる業だったことは確かだろう。
1年前,本欄に「サマータイムは環境救世主か」と夏時間導入への胎動を紹介した。温暖化対策として夏季に時計の針を1時間進めるといっても世間の関心は薄く,現実味が乏しい話題だった。ところが5月連休すぎから,にわかに「サマータイム導入法案」が国会に提出される雲行きとなった。「低炭素社会」作りを掲げてサミット議長を務める福田首相を後押ししようという動きで,あまりの急展開にマスコミも半信半疑。動きを無視した新聞もあった。
導入については超党派の「サマータイム制度推進議員連盟」が数年来活動をしてきた。参加議員は100名ほどだったのに,サミットが近づくと賛同者が増えて衆参両院で280名に膨らんだ。この機運に議連は「秋の臨時国会で法案提出をめざす」を決めた。また自民党もサミット支援を「形」にした具体策とばかりに「今国会(6月23日閉会)に法案提出,2年後の2010年実施」をめざす方針を決めて党内手続きに入った。
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