私のいきぬき
日曜大工
清水 テル
1
1新潟県衛生部医務課
pp.34-35
発行日 1963年1月10日
Published Date 1963/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202728
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たまたまこの原稿を書く気になつていたところへ,ある週刊誌に「1億総日曜大工時代」という座談会の記事がのせられていましたので興味をもつてみました.その中にもありましたように,この頃の「日曜大工」と称する種族の中には,電気のこぎり,電気カンナなど完全装備のものから,昔ながらのささやかな大工道具でたのしんでいるものなど,など,ピンからキリまで存在するようです.かく申す私などは「大工」などと称せられるたぐいのものではありませんが,女だてらに金づちやのこぎりなどをふりまわしてたのしんでいる.その心境などをのべてみたいと思います.
昭和29年に新潟市に居を移し,以来むさくるしいアパート(管理人にはいささか申しわけありませんが……)の一室に住んでいる私は,狭い住いの中で,できるだけ簡易で,効率的な生活を,しかもたのしみながらという必要性と欲望を持ち,またその必要にせまられて,日曜大工的本領を発揮し,身のまわりの中で思いついたことを,自分なりに組みたて,つくり出して重宝していると思いこんでいるわけです.
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