特集 救急医療をさぐる
救急医療と保健婦の役割—新潟地震の経験から
清水 テル
1
,
湯浅 順子
1
1新潟県衛生部医務課看護係
pp.23-29
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204220
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新潟県下は連続3回の大災害にみまわれたが,その発生年月日が,6月16目(39年—新潟地震)7月17日(41年—加治川堤防決壊)8月28日(42年—羽越地方豪雨)と年こそ違え,偶然にも月を追っての暦日のつながりと,追いうちの災害に,こんどは9月になにかおこるのではないかとおそれをなしている人々がすくなくない。
地震や水害による被災地での活動経験から保健婦の役割をまとめてみるようにという依頼をうけ,少しでも役立てばと考えていたやさきに,十勝沖地震がおきた。マグニチュード,震度,余震回数などの大きな数値をきくにつけ,かつてのおそろしい経験が生々しくよみがえり,被災地の方々のご苦労が思いやられ心からお見舞を申し上げたい。被災状況の報道に接するたびに,救護活動は,避難所は,救急カバンの内容はどうしたかしらなどと,よそごとではない関心で現地の状況にみいり,その困難さが理解できるだけにすぐにでも現地へかけつけて応援したい気持と,手をこまぬいていることに耐えられない気持であった。保線,給水,土木関係などと違って全国から,保健婦が応援にかけつけるというようなことは少ないようであるが,せめて度重なる経験をとりまとめておくことにより,どこかでだれかが緊急の時に役立ててくれることがあるだろうと念じている。
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