編集者から読者へ 
                        
                        
                
                  
                  
                  
                  
                            
                                    
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    12月に想う
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                栗原 弘
                                            
                                            
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.10
                
                
                
                  
                  
              
              
              
                  発行日 1962年12月10日
                  Published Date 1962/12/10
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202702
                
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- 文献概要
11月後半のラジオ・テレビは,芸術祭参加の長時間ドラマで花ざかりを呈した.さすが芸術祭参加と銘打ち,また幾百万の聴視者のめききに堪えようとするものだけに,それぞれが熱のこもつた,製作者の意気込みの感じられる作品で,日頃のぬるま湯的ホームドラマや,若さで行こう体あたりショーではなかつた.
見たかぎりで特長的だつたのは,戦後17年の距離をおいた地点で,戦前戦中をもう一度手もとにひきよせ,いろいろの角度で切りきざんだものが多かつたことだ.太平洋戦争を頂点とした昭和初期からの日本のミリタリズムへの歩調が,「過去は美化される」という格言そのままに,いまわたしたちの周囲に,想い出の軍歌集とか,歩兵操典の経営戦術転用とか,のらくろ漫画に,単純にノスタルジアとは受けとれない様々な変容を示して国民のどれかの部分にくいこんできているとき,参加作品の中の戦争批判または戦時への冷たいまなざしは立派なものである.
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