特集 臨床医学最新の進歩・知識
心疾患—増加する健康の危機
伊藤 良雄
1
,
俵 穆子
1
1東京大学
pp.12-16
発行日 1962年12月10日
Published Date 1962/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202703
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心臓病による死亡が日本でも死因のトップにたつているのではないだろうか.という声は,かなり古い.たしかに老衰の大部分がかくされた心臓病なのだとすれば,中枢神経系の死亡をおしのけて,欧米なみの死亡率になるはずである.しかし,人間のもつ生体の余裕力は心臓病があつても気づかないまま(時には代償性の病気として)すごさせてしまう.心臓疾患の早期発見は,死亡の危険をさけるだけでなく,労働能率にもプラスする.習慣的に,成人病検診には心電図もというのもよいが,まず基礎的な知識と生きた保健指導の要訣にあふれたこの論文を一読されたい.
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