特集 健康相談
成人病センターにおける医療ケースワークについて
栗林 絢子
1
1府立大阪成人病センター
pp.41-44
発行日 1962年8月10日
Published Date 1962/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202632
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
当所は昭和34年9月開所以来,癌および呼吸器,循環器系統の成人病の早期診断,早期治療,発病予防を目的として,検査部門,診断部門,調査部門が一体となつて個人の精密検査,また社会組織を中心とした集団検診を行ないながら,臨床的に或いは公衆衛生的見地から高度の検査研究を進めている検査機関である.その中でメディカル・ソーシヤルワークは独自の立場と複雑な内容をもつて,どの部門にも結びついて活動しているのであるが,わけても社会的諸問題が原因となつて身体症状をひき起している人々,たとえば家族や職場の環境が不適応な場合,また心的葛藤の持続状態のために対人関係を悪くして感情的に社会生活を困難にしている場合などがそれで,これらの問題を心理的に追求しながら患者自らの治療解決を援助してゆくケースワークの実例を紹介したいと思う.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.