ホスピタルトピックス 特殊病院
ケースワークの効果判定
柳瀬 正之
1
1厚生省医務局・国立療養所課
pp.98-99
発行日 1965年4月1日
Published Date 1965/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202563
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社会事業は,非常に多額の金が要るということと,極めて多くの人びとに関係をもっという点において大きなビジネスであり,合理的に運営するためには,その効果を測定しなければならないが,従来経済外厚生のカテゴリーにあって,公私の企業のように損益勘定ができないとされ,また社会事業活動の背後にある博愛心,人道主義が効果判定をタブーとする風潮さえあった。
すでに心理療法やカウンセリングにみられた効果判定の研究がケースワークに及んだのは,米国の福祉調査研究所の委員会議長シュワルツが,1942年に「ケースワークの実施方法,経費,成功度を決定せよ」と勧告したのがはじまりで,ワーカーの勘による成功度の評価ではなく,できる限りの標準化,客観化,数量化による計画的,組織的な評価が科学的であるとした。ダラードとハントは,移動尺度方式によってケースワークサービス開始時と終結時における諸変化を6側面について測定した。
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