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滋賀県立成人病センターは昭和45年(1970年)12月に開設されて以来,今年で35年目となります.当初は検診ベッド30床のみでの小規模な集団検診施設でしたが,その後,新開設,増床を繰り返し平成11年4月には研究所が開設され,さらに平成15年1月には新館(284床)が開設され,医師数74名,20診療科,計541床の病床数を有する滋賀県の中核病院に発展しています.“ふれあう心で確かな医療”をモットーに,滋賀県唯一の県立病院として成人病を中心に県民の健康の保持および増進に寄与しています.病院の所在地は京都からJRで20分という交通の便利なところにありますが,周辺には田園地帯が広がり,新館の病室の窓からは琵琶湖,そして比良山の山々が見渡せる風光明媚なところです.
婦人科は常勤医3名で,産科はありません.主な業務としては,通常の外来診療と子宮筋腫,子宮内膜症,卵巣腫瘍,子宮外妊娠,子宮がん,卵巣がんなどの婦人科疾患に対して年間約300例の手術を行っています.成人病センターという病院の特性から悪性腫瘍の手術が全体の約30%を占め,最近の傾向としては卵巣がんの割合が増加しつつあるように思われます.また,輸血が必要となる可能性の高い手術症例に対して自己血貯血を事前に行い,自己血輸血により同種血輸血を回避し,最近の手術症例では同種血輸血を行うことはほとんどなくなっています.良性腫瘍に対しては内視鏡下(腹腔鏡下,子宮鏡下)手術を積極的に行い,良性腫瘍手術の約25%を占めるようになってきました.平成12年より良性疾患の手術入院患者に対してクリティカルパスを導入し,患者さんへの説明と信頼維持,医療スタッフ間の良好な意思疎通による医療事故防止,病床回転率の向上などに大いに役立てています.
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