コンタクトレンズ(32)
日本への関心
長谷川 泉
pp.27
発行日 1962年4月10日
Published Date 1962/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202548
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昨年フランクフルトの国際書籍見本市に参加して会場に1週間つめていた時にも感じたことだが,近頃の欧米の日本への関心のありかたは,かなり変わつて来たようである.
かつての日本への関心のあり方は,観光国日本,東方の愛すべき風光明媚の小国としてのそれであつた.フジヤマとゲイシャ・ガールのそれであつた.そのような誤つた関心は,だんだん是正されつつある.そのことは,交通が便利になつて,いろいろのものの見方が国際的な視野の中におかれざるを得ないことにもよるであろう.心ある人たちが,ほんとうの日本を紹介したこともあずかつて力あったであろう.およそ,買いかぶりも困つたものであるが,一方その逆に,誤解に基づく低評価も困つたものである.近代国家としての日本の実情は,正当に評価されない点があまりに多すぎたのである.
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