巻頭言
マインドへの関心
祖父江 逸郎
1
1愛知医科大学
pp.1018-1019
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903960
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マインド・コントロールという言葉が流行っている。洗脳という言葉が流行し,実際に洗脳された人もあり,洗脳効果が真剣に論議されたことがある。目に見えないものを取り扱って,それを目に見えるようにした形で成果を修めるということで,その過程はなかなかむつかしく,わからないことが多い。しかし,この過程についての挑戦が盛んに行われたことがある。どうしたら,洗脳し,考え方を変換できるのか,その手段は,過程はどうか,など様々のことが盛んに討議され,注目された時代があった。最近問題とされているマインド・コントロールは,洗脳とどんな関係があるのか,共通部分は何か,など興味ある話題である。マインドとは何か,どんな状態なのか,どうしたらとらえられるのか,皆目わからないのに,コントロールする方法などあるのか,具体的には,どのようなことが行われているのか,など多くの関心と興味を呼んでいる。
バブルの時代には,経済や物質にすべての目が向けられ,極端な拝金主義が横行し,すべては金だと言わんばかりの情勢で,人が金にコントロールされていた。経済第一ですべてのことが考えられる状況で,マインドなど省りみる余裕を持ち合わせていない時代であった。どんな時代でも,金,物質は中心的立場にあり,支配的で,人や考え方も経済にコントロールされているといった感がある。
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