特集 保健婦教育制度—その問題点
その1公衆衛生業務と教育
将来の公衆衛生従事者の教育について—保健婦の教育
原島 進
1
1慶応大学医学部
pp.15-17
発行日 1962年4月10日
Published Date 1962/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202542
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.いとぐち
公衆衛生教育制度研究協議会(昭和37年1月名称)の成り立ち:この会合がはじめられたのは昭和35年8月であつたが,それよりかなり以前から公衆衛生に従事する,たとえば医師,保健婦などが,その分野で職責を全うするには,どんな専門的な教養を持つていなければならないか.一般的に言つて,公衆衛生の各分野の専門家になるためには,どんな教育や訓練が必要であるか,さらに,専門的職業として,若い人々を惹きつけるには,どんな用意をしなければならないか.これらのことについて,関係者たちは折にふれて話し合つたことがあるし,また,そのために会合を催したことも再三ならずあつた.こんな会合に集まつた方々は,主として国立公衆衛生院や東京近傍の医学教育に関係を持つ人々であつた.厚生省の関係各課の人々は公衆衛生従事者の受け入れ機関に働く者として,この問題にはすでに具体的な必要性を感じておられたといつてよいと思う.
このような事情のもとで,公衆衛生教育制度を調査し,その問題点を明らかにし,これを基礎として将来への教育訓練制度を考えるために,定期に会合を持つようになつたのである.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.