特集 保健婦現代史―そのあゆみとゆくて
保健婦さんへ/期待と提言
働きよくしてあげること—現在も将来も公衆衛生を背負う保健婦
山本 幹夫
1
1順天堂大
pp.113-114
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203837
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公衆衛生関係者の誰に向かっても,ほとんど常に云っていることは,「日本の公衆衛生を現在背負っており,又将来も背負ってくれるであろうのは保健婦さん達だ」ということである。このようなことを云っているのは,私だけでないことも知っている。それ程に,現在全般的にいって,日本の公衆衛生における保健婦さんに対する期待は大きいといえよう。北から南から,日本のあらゆる地域を巡り歩いて見て,人にサービスしている公務員の裡で,保健婦さん達ほど親身になってサービスをうける人達のことを案じながら自分自身の身や心を粉にしている人達も少ないともいえよう。こういってしまうと,余りにほめすぎることにもなろう。それは,保健婦さん達の中には,もう仕事に疲れはて,その日その日を「大過なく」すごしている方も時には見受けられるからである。だが総体的に云って保健婦さん達には上に述べた様なことを期待をしたい。
このような保健婦さん達に対する期待が何故もたれるかということを申しあげて見たい。一つには女性の母性本能の一つとして,人びと特に困っいる人達を世話してあげずにはいられないと考えられるかたが多いからともいえる。又それが仕事てだと皆考えているからでもあろう。兎に角,山坂こえた訪問指導などは,考えただけでも大変なことを,現実に行ってくれているのが保健婦さん達である。しかも,医師の往診のように立派な自動車に坐っていて,患家の門までとどくようなことはない。
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