特集 結核管理
肺結核の治療の進歩と保健婦の任務
岩崎 龍郎
1
1結核予防会結核研究所
pp.16-20
発行日 1959年10月10日
Published Date 1959/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201952
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まえがき
従来肺結核症の治療には安静と栄養と新鮮な空気とが基調をなすものだとされていた.現在もこれ等が不必要だというわけではないが,より基本的なものは化学療法だと断言することが出来る.化学療法をベースとして時には普通に勤労させることもあり,外科的療法の効果を上げられるのも化学療法があつての賜である.しかしこの化学療法は10数年の歴史をもち,その間に治療方式にも可成の変遷があつた.この間の貴重な経験によつて化学療法の効果についての認識が色々な細部にわたつて高まり,他の治療との按配により治癒せしめうる患者の範囲も広まつた.この恩恵を広く患者に享受さすために医師の努力もさることながら,保健婦の任務も重大であり,その務をはたすためには治療の進歩の跡と現在の状況をよく理解することが必要であると思われるのであつて,この一文が何等かの役に立てば,と願う次第である.
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