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これからの保健所と保健婦のあり方について(1)—第32回特別課程研修から
松浦 利次
1
1東京都玉川保健所
pp.26-33
発行日 1959年3月10日
Published Date 1959/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201825
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1.転換期に立つ保健所
過日公衆衛生院でおこなわれた特別課程保健所管理講習の研修を終えて来ました.その時保健所の仕事で過去の功績としてはまことに大きいものがありますが,ここに大きなまがり角にきておる.そういうことを強く感じたわけです.そこで保健所のあり方自体を問題にしながら,同時にその保健所の中における一番大事な部分である保健婦がどうあらねばならぬか,ということをその中から抽出してお話したいと思いますが,この保健所のあり方について,厚生省の主管課長である.田波保健所課長の考え方を要約するとこういうことになります.
保健所にはいろいろな広い仕事がありますが,それを要約すると四つになる.その四つのうちで第1はその地区の総合計画,健康に関する総合的なプログラムを定めてそれをぐんぐんと押し進めて,一般民衆の健康管理というものをレベルアツプしなきやならぬこれが一つ,第2に今まで行なわれている問題では保健所はいろいろ母子相談であるとか,あるいは結核に関する指導であるとか管理であるとか診察その他を加える中心的な実施機関実行する機関であるそういうふうになつております。第3番目はこの地域の中にいろいろ健康の世話をしてくれる各種の団体がある,あるいは学校あり,研究機関あり町の医師,歯科医師,助産婦,薬剤師,そうした各種の組織,そういう組織のほかになおかつその地域の健康をよくしてゆこうというための,各種の任意の団体があります.
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