口絵
アパートの住い方—アパート生活展から
pp.5-8
発行日 1959年1月10日
Published Date 1959/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201783
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
戦後10年,日本の住宅問題は深刻である.この問題を少しでも解決するものとしてはアパートに期待する以外ないであろう.アパート居住者は年々急速に増加しつつあり,まさにアパート時代来ると云つても過言ではあるまい.しかし運よくアパートに当選して入れたとしてもアパートにはアパート暮しの悩みがある.なんと云つても規格通りの建物の中に,規格通りに住まなければならない.今までの生活を捨てて入らなければ住めないのである.アパート生活者に比較的多い新婚者も従来通り,洋服ダンスに箪笥,三面鏡と型通りの一式を持つていつたのでは,家具の中にさゝやかに人間が住むことになつてしまう.アパートに適した家具を,これは,当然考えられる事である.この程,住宅公団が上催でアパート生活展を行つた.渡辺,剣持の両デザイナーの考えたアパート用の家具をはじめ,飾り棚の取りつけ方,押入れの改造等,狭い住居向きに専門家がいろいろとチエをしぼつて考えられたものが展示されていた.このアパート生活展は,アパート生活者がこれだけ多くなつて来た現在当然のこととは云え,1つの進歩と云えるし,今後も研究されなければならない課題であろう.
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.