銀海余滴
実験動物の豪華アパート
桐沢 長徳
pp.415
発行日 1960年2月15日
Published Date 1960/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206870
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先日のテレビニユースに「東北大学に犬の豪華アパート完成」というのが写され,ブロツク建築の立派な動物舎の中で犬が喜んで(?)跳ねまわつている写真が映された。これだけを見ると,なかなかほほえましい情景であるが,実はこの犬舎の建築費が,動物愛護協会から出ている所に問題がある。
この犬舎の出来る前は実験に供される犬は庭のはじに棒杭でつながれていたり,壊れかかつた犬小屋に入れておかれたもので,その惨状(?)を見るに忍びないといつて協会から犬舎新築費100万円が大学に寄附されたのである(勿論,寄附の前に2〜3度大学に対して「何とかしてやつてほしい」と警告が出されたと聞いている)。
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