連載 赤いコートの女―女性ホームレス物語・12
ドラマチックなアパート入居
宮下 忠子
1
1コミュニティワーカー制度を考える会
pp.682-684
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100135
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T福祉事務所のAケースワーカーに連絡を取り,これまでのアパート見学の経緯を説明した.見積書と契約書の申し込み表,いつ入居するか月の日割り計算書が必要だった.いよいよ入居の日を,3月某日と決めた.
「(平沢さんと)一緒にアパートに入ってもいい」と波さんは言ったものの,それは,責任ある約束の言葉ではない.なぜなら彼女は,相変わらず路上生活に固執する姿勢は変わらなかったからである.新たな生活は,波さんの心に大変な負担となるものであろうと推察した.どのようにして波さんを野宿場所から引き離していくか,検討する必要があった.
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