知事からの手紙
保健婦の皆さんへ
北村 一男
1
1新潟県
pp.9
発行日 1959年1月10日
Published Date 1959/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201784
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最近は衛生状態が非常によくなり,病気で死ぬ人が少くなつて来たのはまことによろこばしいことでありますが,結核患者はなお4軒に1人の割で見出されると聞いています.
実は私も結核の経験者でそのおそろしさはよく知つていますが,幸い早く見つけてよい手当が受けられ,また自分でも充分気をつけていますので,今ではすつかり元気になり知事としての激務に充分耐えられる自信をもつています.私が病気をした時の経験を通じて思いますことは入院中に看護婦さんがよい看護をしてくれたこと,特に気を落していた私を力づけてくれたことが何より恢復を早めたと思うのであります.自宅で療養している人には保健婦さんがこの役をしてくれるわけですが,昨年新潟で結核予防全国大会が開かれました時にこのようなことを秩父宮妃殿下にも申し上げましたところ「知事がそのように考えていることはまことによろこばしい」とおほめをいただいたのであります.特に保健婦さん方は結核だけでなく赤痢など伝染病が発生した時にも第一線で活躍されるので,いろいろ御苦労があることと思います.
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