社会の窓
深夜喫茶
阿部 幸男
1
1読売新聞社婦人部
pp.31-32
発行日 1958年10月10日
Published Date 1958/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201738
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毎年夏になると,問題になることの1つが青少年の不良化対策だが,この夏は,その青少年の不良化の温床と目される深夜喫茶をめぐる動きが世間の注目を集めた.青少年団体や婦人団体からの要望を始め,深夜喫茶を廃止せよという声が強く出て,東京都でも,政府や警察庁もこれに応ずる態度を示したのである.
深夜喫茶なるものが東京に生れたのは昭和30年の始めごろだからまだ日は残い.音楽喫茶,ヌード喫茶,或いはフアツシヨンショーの喫茶店など,業者が客を引くために案出した種々の喫茶店の形態の一つが深夜喫茶であつた,こうした業態の多くが大阪を故郷としているように,深夜喫茶の先べんをついたのも大阪である.ところが,大阪から移つてきたこの深夜喫茶が当つた.当初はほんの数軒に過ぎなかつた深夜喫茶が続出して,翌31年の夏には早くも問題となり,この取締りのための都条令が作られることになつたのである.
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