カレンダーの口絵
—ベラスケスDiego Velasquz(1599-1660)—「王女マルガリータ」
pp.51
発行日 1958年10月10日
Published Date 1958/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201746
- 有料閲覧
- 文献概要
これは,先頃流行した落下傘スタイルのスカートではありません.17世紀のヨーロツパの正装であり,パニエ(籠裳)という箍骨で張り拡げた衣裳です.そういう面白い衣裳を着て,精一杯改まつたあどけない王女は,スペインのフイリツプ4世の第2王女マルガリータ(後はオーストリ王レオポルド1世の王妃となつた)であるといわれています.
この絵をかいたベラスケスという画家は,フイリツプ4世の寵を得て,24才で宮延画家となり,多くの王候貴族の肖像画をはじめ,宗教画,風俗画,歴史画などに傑作を遺しております.彼は,フランドルのリユーベンス,オランダのレムブラントとともに17世紀のヨーロツパの三大画家と讃えられているほどすぐれた画家です.
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.