講座
住民検診と主婦の結核
清水 寛
1
1東京都王子保健所
pp.17-22
発行日 1958年8月10日
Published Date 1958/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201696
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結核検診を了えて
昨年夏から秋にかけて,私どもは東京都北区の一般住民40,766名の結核検診を実施しました.このうち女子は31,208名で,20〜59才が計26,580名,その大部分は主婦であると思われます.
この住民検診を了えていろいろ考えさせられました.ある主婦はどうも半年ぐらい前から右肩がこつて疲れて困るといつていました.この人は右肺尖部の古い病巣が再燃して鎖骨下にも浸潤ができていました.ある主婦は右肺上野に50円銀貨大の空洞が見つかつたのですが,3月に風邪で発熱とひどいせきが出たのですが,家事がいそがしくて医療を受ける暇がなかつたと言つています.こういう例を見ますと,主婦はたとえ病感を自覚してもなかなか診察を受けない,あるいは受けられない理由があるのではないかと思われます.
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