講座
皮膚に症状を現わす内科疾患
原田 儀一郎
1
1東京医科大学皮膚科
pp.14-17
発行日 1956年10月10日
Published Date 1956/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201278
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
皮膚科学という専門分野は,もともと内科から別れて発達した学問であるから,皮膚科で取扱う病気の大部分が内科的色彩が濃厚で,体内異常状態をもととして,発生していてもあやしむには足りないであろう.そのよい例は黄疸という皮膚症状が肝臓機能障害をもとにして発生し,黒色表皮腫という皮膚症状が老人では胃癌などの初発症状であつたり,胃酸欠乏をもとにして蕁麻疹や酒皶の症状を現わしたりすることである.
併し乍ら,皮膚科では,主として形態学的立場が尊重され重視されていたので,稍もすれば体内的意義をわすれ勝ちであるが,最近ではこの方面にも,強い注目がひかれるようになつてきている.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.