座談会
貧困とノイローゼに苦しむ結核患者の事例(続)
石井 みつ子
1
,
救仁郷 ヨシエ
2
,
石垣 純二
,
渡辺 淸綱
3
,
森 喜久野
4
,
阿部 政子
5
,
大津 秀子
6
,
森川 芳子
7
,
中川 ふみ子
8
1東京都中央保健所医療社会事業部
2東京都中野保健所医療社会事業
3東京都杉並西保健所予防課
4東京都町田保健所普及課
5東京都町田保健所
6東京都杉並西保健所
7東京都芝保健所
8東京都荒川保健所
pp.48-64
発行日 1956年7月10日
Published Date 1956/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201234
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「結核治療には精神環境が一番」
救仁郷 この病院に患者を送つた時は.患者の住宅から近いということで家族が見舞に行くのに便利だからというので,患者自身が選んだのです.食事内容も整備しているし,完全看護なんです.食事はいいのですけれどもやはりごはんが非常に固いとか,おみおつけが冷たいということがある病院なんです.
それはよく解つていたのですけれども,隣のベツドの患者は,とても金持ちで立派なものを持つているし,奥さんはつきつきりで労わられているのですね.そういうことはこの患者はできない.だからと云つてひがまなくてもいいのですけれども子供みたいにつまらないことにひがみを持ちましてね,とあとでこの患者が云つております.
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