特集 慢性疾患—明日の公衆衛生のために
肛門疾患
工藤 達之
1
1慶大
pp.152-157
発行日 1956年5月10日
Published Date 1956/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201198
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肛門の疾患を総称して,痔と呼んでいる.従つて,いくつかの病気からなつているが,大別して二種類の多発疾患と,2,3のさほど重要でない病気とに分けることが出来る.
二つの多発疾患とは,言うまでもなく.痔核と痔瘻である.この両者の肛門疾患全体に対する割合は9割以上に及んでいるので,肛門疾患を考える場合,まずこの二つについて注意を払つておけば,間違いないと言うことになる.ところが元来,この両者はまつたく性質の異る疾患であるから,その本質をよく知つておけば,区別も容易であり,手当の方針にも誤りをおかすことはない.順序として,簡単に直腸末端,肛門部の解剖を説明し,理解を容易ならしめようと思う.
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