講座
小児喘息
中村 兼次
1,2
1横浜市立大学
2関東逓信病院小児科
pp.19-25
発行日 1956年4月10日
Published Date 1956/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201149
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
喘息という言葉は,発作性にくるせき,喘鳴および呼気性呼吸困難の3つを主な症状とする症候上の名前であつて,病名ではない.それ故原因が心臓病によつて上記の症状をあらわすときは心臓性喘息,原因が主に気管支にあれば気管支喘息といわれている.小児では,喘息様の症状が特徴になつている病気は喘息性気管支炎と気管支喘息の2つでありこれを合せて,小児喘息という人が多い.この2つの病気は本質は同一であるが,小児の気道の反応の仕方が年令によつてちがうので,症状,予後などに多少の差異があるにすぎないと説く人々と,この2つの病気は全くちがつたものであり,偶々症状が似ているにすぎないという人々があつて,今のところどちらが正しいかは明らかでない.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.