講座
偏食について
中鉢 不二郎
1
1東京第一病院二宮分院
pp.16-19
発行日 1955年9月10日
Published Date 1955/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201014
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偏食の問題は離乳期から始まるのであるが家庭に於て問題にされだすのは多く1才以後である.殊に3—4才頃になつて弱くなり病気になると他の子供より重くなり易く,栄養も悪くなり疲れ易くなつて来てから問題にされるようである.しかしその治療法が適切でなく親が心配だけしているうちに学令に達して学校へ行くようになるとそういう子は,多くは虚弱児童の仲間入りをするようになる.そう云う子は学業にも不利な条件におかれ,たとえ頭はよくても体力が劣り,心身共に耐力不足の為に子供に気の毒なことになる.
食物の好き嫌いと云うことが偏食の起つて来る始りのようであるが,嫌いな食物は2-3はあるが其他は何でも食べて食欲もあると云うような子,例えばにんじんと小豆が嫌いと云うようなものは栄養の上からは,之に代替される他のものを食べていれば結果に於て偏食にならない.
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