講座
小児先天梅毒—特にその母との問題について
有田 不二
1
1横浜医大学
pp.10-15
発行日 1955年9月10日
Published Date 1955/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201013
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
小児の梅毒はその殆どが先天性のもの,即ち出産前既に母体内で感染しているもので,これは同じような慢性伝染病である結核或は他の急性伝染病が殆ど後天性であるのと著しく異る点である.而もその際必らず胎盤を通して母体から感染するもので,たとえ父親に梅毒があつても母親が罹患していなければ子供には感染せず,梅毒が直接父親から子供に感染するようなことはない.従つて先天梅毒児の父親が梅毒でないことはあるが,母親は必らず梅毒に罹つているものである.
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.