講座
疾病の社会的因子—特に農村の病気について
若月 俊一
1
1佐久病院
pp.13-15
発行日 1955年8月10日
Published Date 1955/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200996
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疾病の社会的因子――などと云えば,いささか固苦しいが,考えてみれば,病気のもとは,何から何まで,社会的でないものは無いと云つてもいい.
農村で,ごくふつうの病気,――例えば,ひようそう(瘭疽)のようなものを取つて考えてみよう.ひようそ,――指の化膿性炎症のことだ.何の誰兵衛が,ひようそになつたことは,之はまちがいなく,誰兵衛個人の問題だ.誰兵衛個人の,例えば,おや指の問題に過ぎない.
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