講座
珠玉の重要性をもつ家庭訪問記録—僅かな努力で光輝が蘇えること—統計の生きた使い方(その3)
平山 雄
pp.32-36
発行日 1954年9月10日
Published Date 1954/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200801
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第3例家庭訪問記録の統計的処理
保健婦業務の中心である家庭訪問記録の統計的処理方法について,今回は研究して見よう.特に結核患者の訪問記録に一応話を限つて検討を進めて見ることにする.
皆さんの受持ちの区域内の結核患者家庭については,数回の訪問によつて,詳細な記録が残つているはずである.その一例一例の記録は皆さんの努力の結晶であるが,それに正しい統計的処理をほどこせば,その珠玉の価値は益々その輝きをます.ただそれきりにして,ひき出しの中に保管してあるのならば,所謂「眠れる書類(sleeping file)」に過ぎないが,賢明に整理されたならば,結核の家族内伝状況や,結核の体質問題,研究のこの上もない好資料となるのである.
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