講座
性別統計の物語るもの—統計の生きた使い方(その7)
平山 雄
1
1公衆衛生院
pp.31-36
発行日 1955年1月10日
Published Date 1955/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200880
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何の統計をとるにしても,性別とか年令別に分けて観察するという事は,勿論皆さんは御存知だと思うが今回は,性別に統計を取るという事の意義をじつくりと考えて見たいと思う.
男と女--考えて見ると,同じ人間でありながら,何という不可思議な区別が出来たものであろうか.体の構造も,生理機能も大きく異つている.社会的な生活には,それにも増した差異がある.女らしい服裝,女らしい嗜好,女らしい食習慣,それらをひつくるめた女らしい生活と男のそれとは夫々全然異つているのである.しかし,一方において,極めて緊密な共通点も多い.何といつでも同じ人間であつて男女の差は人間とゴリラとの差よりは,小さいに違いない.この相違性と共通性,それが,これから研究して行く,色々な統計にどのような姿で反映して行くか,それが,今回の話の主題なのである.
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