講座
粉食の用い方
有本 邦太郞
1
1国立栄養研究所
pp.18-23
発行日 1954年2月10日
Published Date 1954/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200680
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ちかごろ粉食か粒食かというような論がしばしばなされる.粉食か粒食かは,穀類の種類によつて自ら定まるものである.というのは穀類はそれぞれの種類によつてその精穀のしかたが異つており,例えば米や大麥は玄穀を搗いて糠を去りその胚乳を食べるのであるが,小麥はこれを製粉して麬と胚乳部に分け純白の胚乳部のみを食べるのである.米を粉にして団子としても,小麥を押小麥としても食べられないことはないが,それは常法ではない.やはり米は御飯とし小麥は粉にして食べるのが普通である.従つて粉食か粒食かは穀類の種類によつて自らきまるものといえる.
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